JR益田駅開業とJR山口線全線開通100周年記念式典が16日、益田市駅前町の益田駅で開かれた。普段は益田駅に入らない山口線の観光列車「DLやまぐち号」、山口県内の山陰線を走る観光列車「○○のはなし」の同時発車といった記念イベントがあり、参加者が公共交通機関の役割を再認識した。 (中山竜一)
山口線は1923年4月1日に津和野駅―石見益田駅(66年に益田駅に改称)間が開通。山陰線はやや遅れて23年12月に三保三隅駅―石見益田駅間が開業した。
記念イベントの一日駅長は、山口線沿線市町の官民でつくる山口線利用促進協議会長である山本浩章益田市長と、柴犬のルーツが益田であることにちなみ、市内で飼育されている雌2歳の柴犬「なな」が務め、観光列車を出迎えた。イベントには市民や鉄道ファンら約800人が参加した。
同協議会が作成した100周年記念の新ヘッドマークを掲げたDLやまぐち号が午後1時33分に入り、新山口行きDLと下関行き○○のはなしが同2時28分、それぞれ乗客80人、同40人を乗せて同時に発車。山本市長らが出発合図を出して見送った。
これに先駆けて開かれた式典で、JR西日本山陰支社の佐伯祥一支社長は、国鉄が1987年に分割民営化されJRが発足するなど100年の歴史に触れ「安全安心な輸送サービスを提供する使命は変わらない」と述べた。