JR木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」は20年以上走り続け、観光客に沿線の魅力を伝えてきた。老朽化により今シーズンで引退する。ラストランに合わせて春、夏、秋の季節ごとの沿線風景や住民と乗客の交流の様子を写真で紹介する。(取材班)

 奥出雲おろち号の特徴といえば窓のない車窓。四季折々の風景をガラス越しでなく、直接眺めることができる。時折、枝が車体に当たったり、車内に葉っぱが入ってきたり。自然との近さが最大の魅力だ。春は桜や菜の花が沿線を彩り、連日、満員の乗客が心地いい風を感じながら列車の旅を満喫している。

 

 米子市和田町のパート職員、下田佳代子さん(60)はこれまで30回以上も乗車したという大ファン。快晴となった4月1日、今シーズンの...