「クラクションが何回も鳴り、女性の悲鳴が聞こえた」。ゴールデンウイーク最終日の7日、夜が明けて間もない時間帯に松江市学園2丁目で起きた事件の第1報は、異変を察知した近くの女性の通報だった。
【続報】松江市学園2丁目で強盗致傷事件 車内で休む女性のかばん奪い、男は逃走 現場は市街地のアパート駐車場(午後9時13分更新)
男に襲われた20代女性は幸い命に別状なかったが、無言で逃げたという男の行方は分からず、現場は警察官が警戒。アパートや飲食店などが並ぶ付近は終日、ものものしい空気に包まれた。
「いつもは平和な場所なので、物騒だ」。近くの50代の会社員男性は、驚きを隠さなかった。
鳴り響く車の音で目を覚ました。悲鳴のような女性の声も聞いた。「ただごとではないと思った」。外を確認し、人けのない通りに複数のかばんが落ちているのを見た。止まっていた軽自動車の助手席側の後部ドアが開いたままだったのも生々しかった。
島根大松江キャンパスまで数百メートルの距離で、学生も多く住む地域。近くのマンションで1人暮らしの大学生の女性(21)もクラクションで目覚め、思わず窓から外を見た。午後になっても犯人は逃走していると聞き、「不安だし、嫌だ」と顔を曇らせた。
(片山皓平)