【川本】しまねレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルが産卵期を迎え、島根県川本町川下の水田脇の樹木には約160個の卵塊が産みつけられている。7月上旬ごろまで白い泡状の卵塊を見ることができるという。
農業、城納清隆さん(67)は自分の水田で毎年、観察している。5月22日に今年初めて卵塊を確認した。例年より約1週間早く、城納さんは「早い梅雨入りと関係があるかもしれない」と話した。
モリアオガエルは日本の固有種で、主に木の上で生活する。卵塊は直径15センチ程度の大きさで、水面に張り出した樹木の枝先にぶら下がる。ふ化してオタマジャクシになると、水面に落ちて成長する。
卵塊はサツキやツツジの枝にぶら下がり、誰でも観察できる。モリアオガエルが生息しやすい農業を実践し、環境保全に努める城納さんは「優しく見守ってほしい」と呼びかけた。(佐伯学)