鳥取県日野町の農家グループが南国の果実パパイアの産地化に乗り出した。県内の気候では完熟が難しいが「青パパイア」と呼ぶ未熟な果実が利用でき、栽培しやすい点に着目した。町内ではシイタケをはじめ白ネギ、ピーマン、ブロッコリーなどが栽培されるものの、知名度は高くない。青パパイアを漬物などに加工して特産に育てる。
パパイアは病害虫に強く、暑さに強いため水やりを頻繁にしなくてもよく、育てやすい。青パパイアは沖縄や東南アジアでは野菜感覚で使われている。
青パパイアが関東以西で栽培できることを新聞報道で知った同町久住の農業、遠藤潤一さん(71)が昨年、試験的に育ててみたところ、胴回り30センチ、重さ600グラムほどの大きな実が収穫できた。農家の仲間内で「特産化しよう」との声が上がり今春、遠藤さんら6人で「奥ひの青パパイア研究会」を結成した。
町内の日野高校の生徒が協力するほか、特産品開発につながるとみた町も費用を補助して後押しする。
26日には、同町久住の畑20アールを借りて日野高生らに手伝ってもらい、苗約100株を植えた。他のメンバーの畑にも植えて計500株を栽培し10月中旬に収穫する予定。研究会の川北皓貴会長(26)は「苗植えを特産品の第一歩にしたい」と話した。
県内では倉吉農業高校(倉吉市)が2018年度から授業の一環で、青パパイアの栽培や活用の研究に取り組んでいる。
(柴田広大)