【益田】島根県指定無形民俗文化財の「益田糸操り人形」の出前公演が16日、益田市本町の市立益田小学校であり、4年生49人が演目を鑑賞し、人形を操って伝統芸能の魅力に触れた。
益田糸操り人形は1887(明治20)年ごろ、東京・浅草で人形芝居を興行していた山本三吉が益田を訪れ、浄瑠璃の愛好者団体「小松連」に伝えたのが始まりとされる。1963年に県無形民俗文化財に指定された。
継承団体の益田糸操り人形保持者会(渡辺大樹会長、22人)の会員9人が「寿三(さん)番(ば)叟(そう)」「びんぼう神」「山本一流獅子の一曲」の3演目を披露。「山本一流獅子の一曲」では、児童が舞台上を跳び回る暴れ獅子に見入った。
幕あいには、会員が益田糸操り人形の歴史や操作方法を説明。児童は終演後、歩み板の上で会員の指導を受け、13~18本の糸がついた手板を持って丈70センチほどの人形の手足を動かした。
浜崎姫愛(ひめな)さん(9)は「人形を動かすのは難しいと思ったが意外と簡単だった。公演では獅子舞の動きがすごかった」と話した。
出前公演は伝統芸能への理解を深めてもらおうと市教育委員会が主催。2023年度は今回を含め小学校や公民館計12カ所で開く。
(中山竜一)