松江の城下町を巡るエクスカーション(体験型小旅行)が24日、松江市内であり、島根県内外の研究者ら25人が松江の歴史や地理について理解を深めた。
全国から地理学の専門家らが集まる人文地理学会の特別例会の一環で、同学会と島根地理学会が主催。参加者は松江市殿町の島根県民会館を出発し、京店やカラコロ広場、松江大橋などを巡った。
島根地理学会の堀江一夫さん(72)らが江戸時代や大正時代の町の様子を解説。要所に設けられた敵に攻められにくくするための「鉤型路(かぎがたろ)」や、小泉八雲が訪れ近代の中心地だったという京店、松江大橋周辺などの説明を、参加者がメモを取ったり写真に収めたりしながら熱心に聞いた。
松江を訪れるのは2度目という駒沢大文学部地理学科の西山弘泰准教授(40)は「歴史がよく分かり勉強になった。当時の姿が戦災で燃えず残っているのは価値がある」と話した。
この日は山陰両県の学者による、過疎地域の未来について考えるシンポジウムもあった。(小引久実)