愛知県豊橋市出身で、山陰生活が7年目になる記者が「フォトマトペ大山」を体験してみた。向かったのは、出雲市塩冶町神前のボードゲームスペース7th DICE(セブンスダイス)。出雲市や鳥取市から来たという男性客6人と遊んだ。
(米子総局報道部・中村和磨)
新感覚ボードゲーム「フォトマトペ大山」を考案 擬声語と山陰名所を組み合わせ 大山の観光関係者
最初のゲームは親役として参加。手札の「オノマトペ」カードから気になったものを出す。「ちゃぷちゃぷ」のカードを出したところ、4人が、浮浪の滝(出雲市)や日の出温泉(米子市)など水に関する「フォト」カードを出した。その中で1人、石見銀山の龍源寺間歩を出す人がいた。

理由を聞くと、写真から映画「となりのトトロ」の雨のなかバスを待つシーンを連想したという。「なんという自由な発想か」聞いた記者が感動してしまった。言われてみれば、たしかに、ぱっくりと開く間歩の暗い坑口が、トトロがたたずむ様子と重なる。そう考えると、雨粒が「ちゃぷちゃぷ」と道路や葉の上で跳ねる光景が頭に浮かんだ。記者は迷わず、龍源寺間歩を選んだ。

2回目は子役として遊んだ。「ドキドキ」のお題に対し、大迫力の花火を写真に収めた大山町の御来屋夏祭りなど、デートスポットが挙がるなか、あえて鳥取県伯耆町の飲食店「郷(さと)の鮨(すし)たむら」のカードを出した。普段、回るすししか食べない記者は、本格的なすし店で食べると勘定が気になって「ドキドキ」してしまう。その情景を話すと、参加者から強く共感してもらい、親役の男性に採用してもらった。
親役、子役として遊んでみて、ゲームの奥深さを感じた。始めるまで「老若男女が楽しめる」という制作者の言葉は、単に子どもも遊べるという意味だと考えていたが、それだけではなかった。ゲームを通してプレーヤーの経験や価値観が垣間見えた。子どもはもちろん、大人はもっと楽しめる。初対面の人と遊び、打ち解けるにはうってつけではないだろうか。一か八か、コンパがあれば、試してみたい。