離島から世界へー。大阪市出身で隠岐島前高3年の中尾美澄さん(17)は「ミッスー」の愛称でけん玉競技の世界では、知らない人がいない存在だ。5年前からプロとして活動し、2年前には世界チャンピオンになった。後編では、世界屈指の独創的なプレーを披露する「ミッスー」にけん玉への思いを聞いた。(Sデジ編集部・鹿島波子)
▽他に類を見ない「静止系」
ミッスーの得意ジャンルはフリースタイル。プロプレーヤーの中でも数少ない「静止系」の技で魅せる。玉をけん玉の皿の縁にのせてバランスを取ったり、玉の上にけん先をのせたりする技だ。
中学3年の時、けん玉女性プレイヤーの動画コンテストで世界2連覇。翌年、高校1年でアメリカ最大級の大会「ノースアメリカけん玉オープン(NAKO)」のフリースタイルの部で、男女含めて初の世界チャンピオンとなった。翌年の夏にカナダで行われ、指定した技の失敗数の少なさで競う「KENゲーム」の大会でも優勝を果たし、世界が認めるプレーヤーになった。この夏、「KENゲーム」で連覇を目指す今、けん玉界で「ミッスー(Missu)」の名を知らない人はいない。
▽小5でW杯出場、中1で海外プロに
けん玉との出会いは、小学1年の学童クラブでの行事だった。初心者技として、けん先の両脇にあるうちの一つの大皿と、けんじりの底部分の中皿に交互に乗せる「もしかめ」に夢中になった。以降、自宅では「もしかめ」だけをやり続けていた。小学3年の時、目の前で見た技に衝撃を受けて、人生が変わった。母親に連れられて...