島根県知夫村で唯一営業するラーメン専門店が5日、大阪市の百貨店「あべのハルカス近鉄本店」で期間限定の出店を始めた。知夫里島産の天然ワカメを使ったしょうゆラーメンをはじめ5種類を提供する。店主は「島を知ってもらうのに一番いい場所で魅力を伝えたい」と張り切る。
村で「らあ麺ちぶ里島」を経営する野本栄二さん(56)=札幌市出身=が出店。18日までラーメンどころの札幌、福島や青森の名店とともに地下食品売り場の一角に店を構える。推しの知夫里島天然わかめらあ麺(千円)に加え、百貨店の客層を意識し、イタリア原産のクリームチーズ・マスカルポーネをアレンジした元祖えびそば(1300円)などで、食い倒れの町の客と「勝負」する。
野本さんはもともと札幌で「えびそば」を創始。店舗経営を経てコンサルタントとして築いた人脈を生かし今回、集客力抜群の場所での出店を実現させた。
昨年1月、豊かな海産物や水に魅せられて知夫村へ移住し、地域おこし協力隊員として店舗運営や通信販売、土産用のラーメンを開発してきた。今年4月に協力隊を辞めて起業し、従業員2人とホテル知夫の里の隣に店舗を開いた。
昨年7月、岐阜市の百貨店で期間出店した際に「知夫里島は九州にあるの?」など多くの来店客が場所を知らなかったという。ラーメンには土地の名前が付き、知られていないのは、ないのと同じだと思い知らされた。「ブランディングの種まきをして、ビジネスや村への移住増のきっかけにしたい」と話す。
ハルカスの次は、26日から8月8日まで新潟伊勢丹(新潟市)へ出店。知夫村では同12日に営業再開を予定する。
(鎌田剛)














