作品に見入る来館者=益田市乙吉町、市立雪舟の郷記念館
作品に見入る来館者=益田市乙吉町、市立雪舟の郷記念館

 島根県立石見美術館(益田市有明町)で開かれている「没後150年 山本琹谷(きんこく)と津和野藩の絵師たち」(山陰中央新報社など主催)に合わせ、庄屋でありながら画業にも打ち込んだ津和野藩の絵師の一人、斎川芳畹(ほうえん)を紹介する企画展が8日、同市乙吉町の市立雪舟の郷記念館で始まった。代表的な竹の水墨画など9点が並び、来館者の関心を引いている。8月28日まで。

 芳畹は、現在の津和野町吹野に生まれ、益田市下種町の庄屋を務めていた斎川家の養子となり、跡を継いだ。元々絵が好きで、10代後半から津和野藩お抱えの絵師・三浦紫畹に師事。庄屋としてさまざまな役目を担いながら、80代の晩年まで精力的に絵を描いた。

 企画展では、朝もやに浮かんだり月に照らされたりする竹や、梅などの水墨画のほか、印章や三浦紫畹が手本として書き与えた「蘭図」も展示。群馬県館林市から訪れた公務員毛塚さとみさん(45)は「他の職業を持ちながらこれだけ素晴らしい絵を描いている。この地の文化の豊かさを感じた」と話した。

 毎週火曜休館。入館料は一般300円、小中高生100円。  (藤本ちあき)