
ー2024年は「ドボコン」を開催しました。
会社創業50周年を記念して開いた学生対象の土木コンテストで、災害の発生メカニズムを、手作り模型を使って説明するという内容です。土木や建築を専攻する学生は、講義で知識の習得はできています。形のあるものをつくることの楽しさを知ってほしいとの思いがあり、開催しました。考えを形にする喜びと、発表で人に伝える力を付けることができたと反響がありました。25年度には第2回の開催を予定しています。回を重ねていずれはロボコン(ロボットコンテスト)に並ぶ大会にしていきたいと考えています。
ー1月に埼玉県八潮市で道路陥没事故があり、インフラへの市民の不安が高まっています。
水道管の経年劣化など、事故はどこでも起こり得ます。土砂崩れなども含めて、事故については模型を製作し、原因を解説する動画を自社のユーチューブチャンネルで公開しています。多くの人に事故が発生するメカニズムを知ってもらい、土木施設の維持に技術力が必要であることを理解してもらいたいです。交流サイト(SNS)で紹介された動画の再生回数が100万回を超えたことから、関心度の高い事象だったと感じています。

ー技術研鑽(けんさん)に力を入れています。
創業6年目から毎年、社内で夏季研修を行い、社員が成果を論文にまとめています。学会などの論文数も地方の土木コンサルタントの中ではとても多いです。仕事をする中で興味を持ったテーマをまとめ、自分の思いを伝える力を養うことも研修の理由の一つです。地質調査や設計に関する内容が主ですが、近年はプログラミングや人工知能(AI)に関するものが増えてきました。
ー今後の展望は。
高度経済成長期に整備したインフラに点検や改修が必要になっています。限られた予算と人手では全てに対応できないのが現状です。工事の優先順位を付けるための知見、点検や改修工事の効率化のための技術開発を進めます。


災害が発生すると、道路が通れなくなり、物流や災害対応に影響が出ます。
土木技術がなければ、私たちの社会は成り立ちません。藤井基礎設計事務所は、道路やトンネル・橋・港の設計(測量・調査)を行う会社です。専門的な技術を「楽しみながら学ぶ」ことが大事になります。一緒に学びながら、社会貢献をしていきましょう。
藤井俊逸=島根県松江市出身(62歳)1985年に現職に就職
土の力学・斜面工学を専門とする技術士。土木学会・地すべり学会の土砂災害解説委員を行う。
平成25年文部科学大臣表彰「模型実験による土木の理解増進」
書籍「模型で分かるドボクの秘密」・「ドボク模型」執筆
土木の世界を100円ショップの材料で伝える活動や地域防災学習を実施。
木からプラスチックを作る事業・バイオマス発電事業などSDGSに力を入れる。












