お天気キャスターとして活躍する気象予報士の天達武史さん(48)が15日、出雲市駅南町1丁目のビッグハート出雲で講演した。「気象予報士として考える地球温暖化・環境・エネルギー問題」と題し、地球温暖化と気象現象の関係について解説した。
近年の天気の傾向として猛暑と豪雨の増加を挙げ、気温が1度上昇すると水蒸気量が10%程度増えるとし「猛暑が続いたら、その後は必ず雨が降ると覚悟してもらいたい」と警鐘を鳴らした。
さらに、今年の山陰地方は日本海の対馬暖流の流れが強く、海水温が平年より1度高いため、積乱雲が発達しやすいと説明。ゲリラ的な大雨や、先日のような線状降水帯の発生に注意が必要とした。
今後、温暖化対策をせずにいると、2100年ごろに出雲の夏の最高気温は42度まで上がり、現在の日常生活は保てないと指摘した。温室効果ガスを減らすといった対策を講じても、効果は20年以上先にならないと出ないとしながらも、「温暖化対策は、地球のためになるという考え方をすることで前向きになれると思う」と強調した。
講演会は中国地域エネルギーフォーラム(広島市)が主催し、出雲商工会議所と山陰中央新報社が共催。約200人が聴講した。8月19日付の本紙で詳報を掲載する。 (黒沢悠太)