「キーマカレー」(上)と「野菜カレー」(下)
「キーマカレー」(上)と「野菜カレー」(下)

 広島県内の無農薬野菜や瀬戸内産の海産物、中国山地のジビエ料理にこだわった和食料理店「京蒸」(広島市中区)が、島根県産食材を中心にしたレトルトカレー(2食パック、税込み5500円)を製造し、オンライン販売を始めた。コロナ禍での新事業として発案。石見和牛やケンボロー芙蓉ポーク、有機野菜をふんだんに使用しており、国内外へ向けて売り込む。

 肉類のほか、小松菜やニンジン、ジャガイモ、マイタケ、トマトジュースなどを使い、完成したのは「野菜カレー」「キーマカレー」の2種類。購入客から好評で、既にリピーターもいるという。

 同店総料理長の山本里志さん(44)が昨春、新型コロナ禍を受けてレトルトカレーの通信販売を検討。同じ時期に(株)島根ポークケンボロー手づくりハム工房(浜田市金城町久佐)の商品と出合い、品質にほれ込んだことから、島根県産食材でカレーを作ろうと決めた。

 島根県広島事務所の協力を得て食材探しに取り掛かり、半年間で10回以上、島根県内の生産者の元に通った。「何をやりたいのか」と問う生産者には、意図をリポートにしたためて伝えるなど信頼関係を築いた。

 山本さんは「生産者にこだわりがある。おいしくて安心安全なものを消費者に届けようという心意気のある人ばかり。品質はもちろん、姿勢に共感した」と原動力を明かし、「海外でも勝負できる品質の食材がそろった。土地の雰囲気を反映した、繊細で優しいが奥深い味に仕上がった」と胸を張った。