伯桜鵬が豊昇龍に敗れ、悔しがる市民=倉吉市明治町、打吹回廊
伯桜鵬が豊昇龍に敗れ、悔しがる市民=倉吉市明治町、打吹回廊

 「令和の怪物」「倉吉の宝だ」―。23日に名古屋市のドルフィンズアリーナであった大相撲名古屋場所千秋楽で、倉吉市出身の伯桜鵬(19)=鳥取城北高出=が本割で敗れ、109年ぶりの新入幕力士による賜杯獲得はならなかったものの、市内のパブリックビューイング(PV)会場で中継画面を見守った市民が惜しみない拍手を送った。

 


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 勝てば優勝決定戦に進める豊昇龍との大一番。倉吉市明治町の打吹回廊に設けられたPV会場に約100人が詰めかけ、両者の仕切りの最中、「伯桜鵬」「頑張れ」と割れんばかりの声援と拍手が鳴り響いた。

 取組は立ち合いで組み止められ鋭い上手投げに屈すると、会場は「あー」とため息が充満。しばしの沈黙の後、大健闘をたたえる拍手が沸き起こった。

 伯桜鵬の歴史的な偉業達成はならなかったが、倉吉後援会の竹歳和晃幹事(54)は「真っ向勝負のいい相撲。倉吉を一つにしてくれる宝だ」とたたえた。伯桜鵬を幼稚園時代から知る倉吉幼稚園の日野彰則園長(57)は、テレビの中継画面で日ごとにファンの声援が大きくなった今場所を振り返り「鳥取県全体が勇気をもらった」と目を細めた。

 小学生の時の伯桜鵬を指導した鳥取県琴浦町上伊勢の中学校教諭、森大樹さん(41)は「多くの人に喜んでもらい感動した。世代を引っ張る存在になってほしい」と激励。この日、倉吉後援会の名誉会長に就任した平井伸治知事は「千秋楽まで戦い抜いた『令和の怪物』ぶりこそ、ふるさと鳥取県の誇りだ」とコメントした。
 (岸本久瑠人)