8月の松江水郷祭花火大会で設置する有料観覧席のチケットの売れ行きは27日現在、全体の約4割の1万1千席となっている。総席数を昨年より10倍近く増やす一方、花火も6500発増。観光客誘致を意識し2日間で計2万発を打ち上げ、見応えを高めるが、販売状況が思わしくないと大会会場の見栄えや盛り上がり、収支への悪影響が懸念され関係者は最後の追い込みに注力する。
花火は8月5、6日に松江市中心部の宍道湖で打ち上げられる。有料観覧席は初日のみだった昨年の2635席から、各日1万3千席の計2万6千席に増やした。価格は1人5500円から4人で飲み放題付き計5万円など数種類がある。
大会は毎年の開催資金確保が課題な上、物価や警備費高騰による経費増も見込まれる。夏の娯楽として定着するだけに市民の反発も強いが、主催の松江水郷祭推進会議は有料観覧席の大幅な増設に踏み切った。
席は宍道湖北岸、白潟公園一帯、岸公園と島根県立美術館付近の3エリアに設置。6月3日の市民向けを皮切りに販売を始め、推進会議事務局によるとペア席や団体席は売り切れが生じているが、席数が多い個人席の余りが目立つという。
例年より島根県外からのツアー参加などは増えているものの事務局は事前のPR不足を懸念。松江商工会議所まちづくり推進部の佐々木護室長は「あと1週間でどこまで売れるかだ」とし、販売促進に力を入れる。
チケットはローソンチケット(インターネット)や、ローソンとミニストップに設置されている情報端末で購入できるほか、松江市殿町の県民会館でも一部を販売。当日販売もする予定。問い合わせは松江水郷祭推進会議事務局、電話0852(32)0504。
(片山皓平)