廃炉作業を延期する中国電力島根原発1号機(右手前)。左が2号機、奥が3号機=松江市鹿島町片句
廃炉作業を延期する中国電力島根原発1号機(右手前)。左が2号機、奥が3号機=松江市鹿島町片句

 島根原発1号機(松江市鹿島町片句)で実施中の廃炉作業について、中国電力が8日、計画に4年遅れが生じ、完了時期が2049年度になると、松江市に伝えた。1号機に貯蔵する使用済み核燃料の搬出にめどが立たないため。島根県にも説明する。

 廃炉作業は4段階の工程に区分され、1号機は現在、汚染状況の調査などをする第1段階。第2段階終了時までに使用済み核燃料の搬出が必要となるが、搬出先の青森県六ケ所村の再処理工場が未完成のため、作業全体の工程を見直した。中電は08年9月を最後に1号機の燃料搬出ができておらず、約123トン(722体)が1号機の燃料プールで保管されている。

 29年度までとしていた第2段階の工程完了は6年遅れ、建物の解体撤去をする第4段階の完了は2年短縮し、計画全体では4年遅れとなる。

 中電は廃炉工程をまとめた「廃止措置計画」の変更を原子力規制委員会に認可申請する予定。それに先立ち、立地自治体の松江市と島根県に安全協定に基づく事前了解を申し入れた。周辺自治体(出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市)にも報告し、意見を聞く。