1983年に島根県西部を襲った「58豪雨」の災禍を記憶にとどめ、教訓を後世に継承しようと「石州和紙灯ろうまつり」が12日、浜田市三隅町古市場の三隅中央公園周辺であった。
豪雨に巻き込まれた死者・行方不明者107人を弔い、古里の歴史をつなごうと、三隅町の住民有志でつくる実行委員会が10年前に始めた。新型コロナウイルス禍では規模を縮小して継続し、安全面を考慮し2020年以降は海上から陸上の点灯に切り替えた。
今年は災害から40年の節目に当たり、町内のまちづくりセンターや専門学校、小学校、保育園も協力。石州和紙で作った灯ろうには「平和でありますように」「先祖に感謝」といった文字が書かれ、約800個に発光ダイオード(LED)で灯がともると、「忘れない58災害」の文字が浮かび上がった。
実行委の久保田耕治会長(68)は「安心して住める三隅町を次世代につなげたい」と話した。会場では、当時を振り返るパネル展示や防災講演会もあった。
(森みずき)