出雲市佐田町須佐の須佐神社で15日、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を祈る切明(きりあけ)神事があり、島根県無形文化財の「念仏踊り」が奉納された。雨が降る中、花笠(はながさ)とかすりの着物に身を包んだ7人の男性がゆったりと舞い、参拝者を魅了した。
念仏踊りは4世紀に須佐神社に伝わり、17世紀に出雲阿国が京都で舞ったとされる。1907年に復活し、地元住民でつくる須佐大宮念仏踊り保存会が伝承。毎年8月15日に奉納している。
今年は雨のため、踊り場所を屋外の境内から拝殿内に変更し、桜の花などをかたどった飾り花「宮花」は神楽殿に展示された。
小学生1人、中学生4人を含む会員7人は笛のはやしに合わせて、かねや鼓を打ちならし「ねーんのおー」などと念仏を唱えながら踊りを披露した。参拝客はカメラやスマートフォンで写真を撮影しながら行事を見守った。
小学2年生から念仏踊りに参加する佐田中学校2年の長島蒼空(そら)さん(13)は「立ち位置や動きのスピードをそろえて踊ることができた。来年もみんなで踊りたい」と笑顔だった。
(佐野翔一)