浜田漁港の沖合底引き網漁船4船団が15日、2カ月半の休漁期が終わるのに合わせて出漁した。うち1船団は老朽更新の新造船で、集まった関係者が浜田の沖底漁の存続に向けた新たな船出を祝った。高級魚ノドグロを主体に漁獲し、第1陣は20日ごろ水揚げする。
出漁を前に、船団や行政の関係者18人が出席して安全操業の祈願祭があった。岸壁には船員の家族らが大勢集まり、準備を終えて順に離岸していく船に手を振り、「行ってらっしゃい」「気をつけてね」と声を張り上げて送り出した。
各船団は日本海を北東寄りに進む台風7号を避けるように、漁場となる山口・九州沖へ向かった。
第11、第12あけぼの丸の2隻は浜田の沖底船で35年ぶりの新造船で、今漁期から操業を始める。導入した浜田あけぼの水産(浜田市原井町)の室﨑拡勝社長は「安全に多くの魚を取れるモデル船の役割を果たしたい」と話した。
地元4船団の2022年漁期(2022年8月~23年5月)の水揚げ額は前期比0・6%増の14億3700万円だった。島根県機船底曳網漁業連合会の金坂敏弘会長は「後に続き老朽漁船を切り替えていくためにも水揚げを増やしていく必要がある。今漁期は17億円を目指す」とした。(吉田雅史)