細田博之衆院議長(79)=島根1区=が式典など主要な議長公務を欠席し続けている。7月下旬に熱中症とみられる症状で搬送。その後、広島での平和式典に続き、全国戦没者追悼式にも姿を見せなかった。理由を「体調不良」とするものの、明確な説明がなく、支える地元の自民党関係者の間では不安視する声が広がっている。
15日に都内であった全国戦没者追悼式。天皇、皇后両陛下や岸田文雄首相らが参列する中、追悼の辞を述べるはずの細田議長の姿はなかった。この日の欠席理由も体調不良だった。
細田議長は7月1日の自民党島根県連大会、9日の故青木幹雄氏お別れの会などに出席。15日から17日までは隠岐諸島を訪れ、地元の党関係者や経済人との意見交換や国政報告会を開くなど毎週帰県していたが、21日に都内の自宅で熱中症の症状を訴え、病院へ搬送された。
7月下旬に予定していた米国への外遊は取りやめたものの、8月に入り、議長公邸での公務には復帰。3日には要望で訪れた丸山達也知事とも面会した。
国会内の細田事務所が「用心に用心を重ねている」とするものの、これまでに党県連などを通じて県内の所属議員に向け、体調に関する説明は行われていない。
党関係者の一人は「(炎天下の)広島での式典の欠席はまだ分かるが、室内での追悼式を欠席したということは、体調が思わしくないということではないか」といぶかしがる。県連の絲原徳康幹事長は「まだ何も聞いていないので分からない。一日も早い復帰を願っている」と述べるにとどめる。
細田議長はこれまで、次期衆院選へ立候補する意向を周囲に示している。一方で高齢を指摘する声が地元では根強い。次に公の場に姿を見せる可能性があるのは、29日に都内で行われる青木氏の合同葬。9月上旬には都内で先進7カ国(G7)下院議長会議が開かれ、その後は臨時国会の開会も控える。
細田議長の体調について、長年地元で支え続けている細田重雄党県連会長は「15日に本人と電話で話をしたが元気な様子だった。しっかり体調を整えるようアドバイスした。今週いっぱいは静養することになるだろう」と話した。
(白築昂)