美保関沖事件の展示物に見入る市民=境港市竹内町、市老人福祉センター「浜の里」
美保関沖事件の展示物に見入る市民=境港市竹内町、市老人福祉センター「浜の里」

 1927年8月24日、松江市美保関町沖で夜間演習中の旧日本海軍の軍艦同士が衝突して119人が犠牲となった「美保関沖事件」を伝える展示会が、境港市竹内町の市老人福祉センター「浜の里」で開かれている。資料など約100点を並べ、悲惨さや平和の尊さを伝える。9月9日まで、入場無料。

 地元の美保関沖事件慰霊の会が主催した。事件は連合艦隊の艦艇63隻が無灯火で訓練中に起こった。2重衝突が発生し、軽巡洋艦「神通」と衝突した駆逐艦「蕨(わらび)」が沈没し、巡洋艦「那珂(なか)」とぶつかった駆逐艦「葦(あし)」が艦尾切断、海没と大破した。

 境台場公園内には慰霊塔があり、毎年8月24日には追悼もされている。

 展示では、山陰中央新報の前身、旧松陽新報が事件について伝える紙面の写しや、艦首が大破した「神通」の写真が並ぶ。2020、21年に実施した水中調査の様子や成果についてもパネルで紹介している。

 門脇紀文会長(82)は「4年後には事故から100年を迎える。沖合が事故現場の琴浦町でも11月に展示を計画している。関心を高めてもらいたい」と話した。午前9時から午後5時まで。日曜日と祭日は休館。
 (松本稔史)