松江西高校(資料)
松江西高校(資料)

 学校法人永島学園松江西高校(松江市上乃木3丁目)の教員13人が4日、新学科設置を巡り、不当な懲戒処分を受けたとして、法人に対して、処分の無効確認や計1540万円の慰謝料を請求する訴訟を松江地裁に起こした。

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 松江西高校は現在、進学を目指す生徒が在籍する普通科を含め2学科があるが、法人などによると2024年度に「総合学科」に一本化し、就職を目指す生徒向けに特化する方針。

 訴状などによると、同校が当初23年度に移行期間として進めようとしていた総合学科について、法人側の説明不足や運営方針を疑問視する教員側が法人の保護者説明会を前に、許可を得ずに出席を促す文書を出した。

 この文書や見直しを求める教員側の行動について、法人側は「生徒・保護者を混乱に陥れた」などの理由で、13人の教員を停職、減給、戒告の懲役処分をした。教員の一部は休職や退職に追い込まれているという。

 4日の提訴後、松江市内で会見を開いた教員の代表は、問題を巡り離職者が出ていることにも触れ、「(もともと)教員数が減らされている中で、疲弊している。このままでは生徒のためにならない」と話した。

 法人側は、提訴前の取材に対し「正当な処分だった」としている。