懲戒処分の無効確認などを求める提訴後、記者会見する松江西高校の教員=松江市内
懲戒処分の無効確認などを求める提訴後、記者会見する松江西高校の教員=松江市内

 私立松江西高校(松江市上乃木3丁目)の学科新設を巡り不当な懲戒処分を受けたとして、教員ら13人が4日、高校を運営する学校法人永島学園を相手に処分の無効確認と計1540万円の慰謝料を求める訴訟を松江地裁に起こした。提訴後、4人が松江市内で会見。処分を受けて一部が休職や退職に追い込まれたと説明した。

 2024年度の第1期生募集を目指し同法人が島根県に認可申請中の「総合学科」を巡り、教員側は、就職を目指す生徒向けに特化する経営方針について見直しを求める一方、3月の保護者説明会を前に、出席を求める文書を保護者宛てに出した。一連の行為が「生徒・保護者を混乱に陥れた」とされ、停職、減給、戒告の懲戒処分を受けた。

 教員側は、訴状で、座学の授業を減らすことを想定して教員数が減らされており、性急なカリキュラム変更は教員負担を増大させ、既に文理選択や選択科目が制限される中で「生徒に対して充実した教育活動を提供できなくなる」と指摘。

 会見の出席者の1人は「教員が減らされ、かなり疲弊している。生徒のために働いているが、このままでは生徒のためにはならない」とし、保護者宛ての文書配布について改めて「正当な権利」と主張した。

 法人側は山陰中央新報社の取材に対し、正当な処分で、在校生への影響もないと主張している。 (古瀬弘治)