刃物業者の説明を聞きながら品定めをする来場者=安来市安来町、和鋼博物館
刃物業者の説明を聞きながら品定めをする来場者=安来市安来町、和鋼博物館

 「ヤスキハガネ」のブランドで名高い安来市に全国各地から鋼製品が集まる「やすぎ刃物まつり」が7日、同市安来町の和鋼博物館周辺で始まった。新型コロナウイルス禍での中断を挟み4年ぶりの開催で、待ちわびた大勢の愛好者でにぎわった。8日も開かれる。

 市や、高級特殊鋼製造のプロテリアル安来工場など、官民の実行委員会が主催し、今年が25回目。今回は新潟県長岡市、堺市、兵庫県三木市など、各地の22業者の刃物展示販売、アウトドアナイフショー、手作りナイフ教室などがあった。

 刃物展示販売では、包丁やはさみ、鎌、のこぎりなどが並んだ。堺市から出展した刃物業者は、材料に使っている安来産の鋼について「切れ味がいい。それに尽きる」と評価していた。

 ナイフメーカー9業者のショーでは、柄に海外の硬貨を貼り付けたり、金属むき出しの柄に小さな穴を多数開けたりして、デザイン性を高めた作品が目を引いた。

 ナイフ教室では、小学校で使った世代には懐かしい折り畳みナイフ「肥後守(ひごのかみ)」の組み立てと研ぎを来場者が体験した。三木カスタムナイフギルド(三木市)の手ほどきを受けた安来第一中学校1年の國本正人さん(13)は「難しいけど、楽しい」と喜んでいた。(桝井映志)