13日に細田博之衆院議長が記者会見を開く衆院議長公邸=東京・永田町
13日に細田博之衆院議長が記者会見を開く衆院議長公邸=東京・永田町
13日に細田博之衆院議長が記者会見を開く衆院議長公邸=東京・永田町

 細田博之衆院議長(79)=島根1区、11期=が13日に東京都内で開く記者会見に厳しい視線が注がれている。議長辞任の理由や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係などを巡り、初めて公開の場で説明する機会となるが、会見時間と取材できるマスコミが限られているためだ。地元の自民党関係者らからは、あらためて説明責任を果たすよう求める声が上がる。(取材班)

 衆院事務局秘書課が会見の概要を発表したのは11日午後。細田氏の意向で会見時間は30分間で、映像と写真の撮影は冒頭発言時のみ許可した。参加は国会を取材する記者クラブ加盟社から各社1人ずつで、約30社の参加を想定するとの内容だった。

 発表を受け、記者クラブに所属していない山陰中央新報社は12日、同課に地方紙も参加できるよう申し入れ、大手紙や民放キー局を中心にした衆院記者クラブも、1時間以上の時間確保や1社から複数人の記者の参加など4点を要望。申し入れに加え、想定より加盟社の参加希望が少なかったため、山陰中央新報社も認められ、細田氏の意向で質疑応答部分の映像、写真撮影も認められた。

 同課の安藤武課長補佐は「申し入れを真摯に受け止め、沿う形で対応できていると考える。会見時間はあくまで目安で、質疑応答などの状況や議長の体調も考慮し、延長の可能性はある」と説明した。

 一方、旧統一教会との関係やセクハラ疑惑を厳しく追及してきた週刊誌、フリー記者などの参加は想定していない。旧統一教会に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は「鋭い追及を避けるための戦略だ。主導権を握り、一方的な会見にしたいのが透けて見える」と批判。

 夕刊紙「日刊ゲンダイ」を発行する、日刊現代(東京都中央区)の小塚かおる第一編集局長は「閉鎖的な環境と短時間に限定された会見では説明責任を果たすことにはならない」と指摘した。

 中身だけでなく、在り方も注目される中、自民党と連立政権を組む公明党の北側一雄副代表は12日の記者会見で「しっかりと説明すべきは説明していくことになるだろう」とくぎを刺した。自民党島根県連の絲原徳康幹事長も「時間が長いか短いかは別として、しっかりと説明責任を果たしてもらうことが何より大事だ」と強調した。