出荷前にデラウェアの品質を確認する検査員たち=出雲市荒茅町、出雲ぶどう集荷所
出荷前にデラウェアの品質を確認する検査員たち=出雲市荒茅町、出雲ぶどう集荷所

 「島根ぶどう」のデラウェアが出荷最盛期を迎えている。天候に恵まれ、粒の張り具合など品質は良好。前年に続く巣ごもり需要もあり、単価は現時点で前年を上回る。小売店などからの引き合いに対し、出荷量を増やしていけるかどうかが後半戦の鍵になる。

 出雲市荒茅町の出雲ぶどう集荷所で9日早朝、検査員が18度以上の基準糖度や房の形状、着色具合を念入りにチェックした。前日から持ち込まれた量は今期最多の16・2トンだった。

 JAしまねによると、昨冬が低温だったためブドウの木が十分休眠し、発芽がそろった。春以降は気温が上がって大粒で張りのある実に育ち、規格で最良の「赤秀」の割合が前年同期に比べ2ポイント高い75%となっている。

 1日までの1キロ当たり平均単価は前年より74円高い1828円。JAしまねの石川薫常務は、緊急事態宣言下の首都圏で百貨店の食品売り場が休業要請の対象外となっていることを要因に挙げ「売り場を確保できていることが功を奏している」と分析した。

 卸売業者やスーパー側からの引き合いも強い。大阪市中央卸売市場で卸売業を営む大阪中央青果(大阪市)の営業担当者は「昨年に続き巣ごもり需要が高く、販売店での回転率はいい」と話す。

 旺盛な需要に対し、県内全体の出荷量は4月21日の初出荷から9日まで387トンと前年比で5トン増にとどまっている。20年産は最終的に過去最低の886トンだった。

 今期は3年ぶりの千トン台回復を目指す。ここ数年進めてきた老木の植え替え効果で収量が増え、県全体で日量30トン前後になる出荷ピーク期間が昨年の2~3日から倍増する見込みで、後半の伸びが期待される。

 梅雨の湿気は裂果の原因となり、今後の雨予報に対し、同JAはハウス内の換気や除湿機の使用を呼び掛けている。JA出雲ぶどう部会の吾郷均部会長(64)は「裂果を抑えて出荷ロスを減らし、前年を上回る状態を保ちたい」と話した。 (木幡晋介)