島根県吉賀町出身で、昨年8月に96歳で亡くなった世界的ファッションデザイナー・森英恵さんのお別れの会が22日、同町六日市の六日市基幹集落センターであった。森さんの長男でファッション振興財団(東京)理事長の顕さん(73)ら約80人が業績を振り返り、古里を愛した人柄をしのんだ。
会は町が主催し岩本一巳町長、丸山達也島根県知事、安永友行町議会議長がお別れの言葉を述べた。岩本町長は「功績に敬意を表すとともに町の発展への支援にお礼を申し上げる」と遺影に語りかけた。出席者は、森さんをイメージして町が準備した淡いピンク色のカーネーションを献花し追悼した。
顕さんは「母は吉賀町が大好きで、デザインの原点は幼少期の六日市の原風景にあると常々語っていた。皆さんに感謝の気持ちでいっぱいだ」と述べた。
森さんは、古里の野山を飛ぶ姿に着想を得たチョウをモチーフにしたデザインで世界的に活躍。1977年に日本人として初めて高級ファッションの最高峰団体とされるパリのオートクチュール会員となり、96年には服飾デザイナーとして初の文化勲章を受けた。