



島根県内の各分野で地域の発展に尽くした人を顕彰する「山陰中央新報社地域開発賞」の表彰式が31日、松江市千鳥町のホテル一畑であり、文化、教育や産業など5賞6部門の受賞者6人が決意を新たにした。
受賞者は前田将良(まさよし)さん(53)=スポーツ賞、浜田市旭町▽山穂(めぐみ)さん(78)=文化賞、知夫村▽村上真奈さん(34)=教育賞、松江市浜乃木6丁目▽砂流(すながれ)啓二さん(68)=産業賞第1部門(農林畜水産)、安来市上坂田町▽小川知興(ともおき)さん(48)=同第2部門(商工/観光/建設)、大田市温泉津町▽マソーラ・ミリアン・リウエ・イモトさん(51)=社会賞、出雲市古志町。
表彰式では、山陰中央新報社の松尾倫男社長が「活力ある地域社会づくりのため、ますますご活躍いただきたい」とたたえ、表彰状と副賞を贈った。
また、受賞者一人一人が受賞の喜びと、地域への思いを語った。
元体操五輪選手のキャリアを移住先の浜田市で生かし、ジュニア世代を育成する前田さんは「2030年に島根である国民スポーツ大会で結果を残したい」と意欲を見せた。
知夫村に伝わる風習や行事を丹念に調べ、出版を通じて情報発信している山さんは「地道な活動が評価さた」と喜び、中高生の自習スペースを設けるなど、若い人たちの居場所づくりに奔走する村上さんは「地域の後押しを受けられたからこそ続けられた」と感謝した。
河川敷で牧草を育て、飼料の自給に加え景観美化にも取り組む砂流さんは「酪農の大切さを発信していきたい」と強調。老舗の商店を営み、地域の若手を巻き込んだイベントを先導する小川さんは「みんなの居場所を地域に残したい」と熱い思いを披露した。
県内初の外国籍の少年補導委員として、出雲市が目指す多文化共生社会の構築に一役買っているマソーラさんは「私が選ばれて心からうれしい」と喜びを語った。(森山郷雄)