文学賞の最高峰・直木賞の受賞作家で、松江市や島根県にゆかりのある作家を招いた連続講演会が3日、同市袖師町の県立美術館ホールで始まった。初回は窪美澄さん=東京都在住=が登壇。「やめるときも、すこやかなるときも」(2017年)で松江を舞台にした理由に、城のある街並みや宍道湖の夕日の美しさを挙げ「すごくいいところで、(小説で)初恋の場所にしたいと思った」とエピソードを紹介した。(山口春絵)

 窪さんは2022年、短編集「夜に星を放つ」で直木賞に輝いた。「やめるときも-」は、高校時代を過ごした松江で初恋の相手と死別した男性と、結婚願望がありながらも恋愛が苦手な女性の物語。20年放送のテレビドラマでは、松江がロケ地になった。

 窪さんは14年、初めて松江を訪れた際に...