舌の運動で唾液を出そう!
舌の運動で唾液を出そう!
「かかりつけの歯科を決めて定期的にメンテナンスに通ってほしい」と呼び掛ける田原院長=出雲市知井宮町、田原歯科医院
「かかりつけの歯科を決めて定期的にメンテナンスに通ってほしい」と呼び掛ける田原院長=出雲市知井宮町、田原歯科医院
舌の運動で唾液を出そう! 「かかりつけの歯科を決めて定期的にメンテナンスに通ってほしい」と呼び掛ける田原院長=出雲市知井宮町、田原歯科医院

 マスク着用が日常化し、自分の口臭や口内環境を気に掛けるようになった人は少なくない。「体の健康は口の中から」といわれるように、口内の衛生状態が体全体の健康に結び付くこともある。出雲市知井宮町の田原歯科医院、田原清隆院長(59)に口腔(こうくう)ケアの大切さを聞いた。(大迫由佳理)

 歯周病がない人はインフルエンザの罹患(りかん)率が下がるといわれるが、新型コロナウイルスでも同様の報告があるという。新型コロナに感染した人が重症化する割合は、歯周病のある人が12・8%で、ない人は2・3%にとどまる。死亡例になると、歯周病がある人はない人に比べて8・81倍に跳ね上がる。

 田原院長は「感染症を防ぐにはマスクや手洗い、うがい、手指の消毒はもちろんのこと、口の中を清潔に保つことも重要」と強調する。歯周病はさまざまな体の病気の引き金になるが、歯磨きなど毎日のケアで予防でき、脳梗塞や糖尿病、認知症などのリスクを下げる。

 マスクを着用する生活で気を付けたいのが口の中の乾燥だ。唾液に含まれる成分「免疫グロブリンA(IgA)」は、口の中の細菌やウイルスが体の中に取り込まれるのを防ぐ。口内が不潔で細菌が多い上、口内が乾きがちになると、IgAの手が回らず、ウイルスに感染しやすくなる。

 マスク生活は乾燥しやすい。息苦しくて口呼吸になる人はもちろん、しゃべる時間が短くなると顎を動かす回数が減り、唾液が出にくくなる。さらに口の乾燥は口臭トラブルにもつながる。田原院長は「意識して唾液を出して」と呼び掛ける。

 唾液の分泌を促すのにガムが推奨されるが、顎に痛みがあったり、音が鳴ったりなど不調がある人はかえってその症状が悪化する場合がある。そういった人には舌を使った運動がお勧めだ(図参照)。

 (1)舌の先を前歯と唇の間に伸ばし、左右の犬歯の間をゆっくりと往復させる。これを上下ともに行う。

 (2)奥歯のさらに奥の空間に向けて、舌を入れたり引っ込めたりするのを、左右ともに行う。

 顎回りが痛くなったり、だるくなったりしたらやめる。毎日気付いた時に行うようにしよう。

 口の中を清潔に保つだけでなく食べたり、呼吸したりなどの機能を維持する体操やトレーニングもある。田原院長は「口腔ケアは自分で行うセルフケアと歯科医院でのプロケア、どちらが欠けてもいけない。車の両輪のようなものだ。かかりつけ歯科を決めて定期的にメンテナンスしてほしい」と呼び掛ける。