



島根県津和野町後田の弥栄神社に伝わる鷺舞(さぎまい)の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録を記念した式典が19日、津和野町民センターであり、関係者が伝統文化の継承に向けて思いを新たにした。
国の重要無形文化財の津和野弥栄神社の鷺舞は、津和野城主・吉見正頼が1542年に京都の八坂神社から山口へ伝わった舞を移入したのが始まりとされる。住民有志でつくる「弥栄神社の鷺舞保存会」が継承し、昨年11月30日に民俗芸能「風流踊」の一つとしてユネスコの無形文化遺産登録が決まった。
登録1年を迎える前に開いた式典で、下森博之町長は「後継者の育成などに協力し、末永く保存、継承されることを願う」とあいさつ。保存会の栗栖志匡(ゆきまさ)会長(67)は「さらに500年続き、今後も鷺舞が披露できるよう努力を重ねていく」と決意を語った。
保存会が鷺舞モニュメント広場で特別披露し、太鼓や笛などのはやしと歌に合わせ、雌雄一対の鷺役2人が長さ約110センチの板で作った羽を打ち鳴らして扇のように大きく広げた。
式典には、古道「津和野街道」のつながりで協定を結ぶ島根県吉賀町と広島県廿日市市の関係者も出席。同市の佐方八幡神社に伝わる佐方獅子舞の演舞もあり、軽快な動きで観客を楽しませた。
(藤本ちあき)