【松江】今年4月に整備が完了した松江市美保関町の美保関地区と才地区を結ぶ「みほの岬自然観察路遊歩道」を歩く催しが15日、現地であった。同町とその周辺から参加した14人が、自然豊かで険しい往復2・7キロの道のりを楽しんだ。
美保関公民館が住民の健康づくりと、整備された遊歩道とその歴史を知ってもらうために企画した。
遊歩道は、美保関地区の青石畳通りの北側にある仏谷寺から、島根半島の日本海に面した才地区に至る。50年前までは才地区の住民が、美保関に向かう生活道だったが、乗用車の普及で荒廃し島根県が整備した。
15日は、前日までの雨でぬかるみながらも、参加者は深緑が濃く細い山道を歩きながら、道沿いの植物に目を向け自然を楽しんだ。美保関地区まで戻った後に国の重要文化財に指定されている仏谷寺の薬師如来座像など7体を拝観した。
美保関地区出身で約50年ぶりに歩いたという小豆沢宣子さん(74)=松江市美保関町美保関=は「昔はシイの実やかまど用の薪(まき)を取りに行ったり、海水浴に行くために通った。懐かしく歩き、当時より距離が長く感じた」と話した。(黒沢悠太)