第五章 飛ぶ鳥(十五)

 師匠は腿に手をついて腰を上げ、隣室に入った。ややあって戻ってきた。畳の上に差し出されたのは小さな布包みだ。目で指図されて寅蔵は包みを開き、黒ずんだ木...