家族に関する法制度の見直しを話し合ってきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は、離婚した父母の一方を子の親権者とする「単独親権」に加え、双方とする「共同親権」を導入する法改正案の「たたき台」をまとめた。その賛否は、共同親権をどう考えるかで真っ二つに割れている。
▼DVの影響、避けて通れぬ/問題山積、家裁パンク寸前
弁護士・伊藤和子さん
―法制審部会のたたき台をどう見ていますか。
「家庭の中で立場が弱い人たちに対する理解と考慮がなく、これが法律になるとすると、非常に深刻な事態だ」
―とりわけ理解や考慮を欠いている点は。
「父母の一方が拒んでも、家裁が共同親権を決定できるところだ。例えばドメスティックバイオレンス(DV)の被害者が子どもと...