障害のある子や医療的ケアの必要な子の成長を記録できる育児ノート「cocoe(ココエ)」
障害のある子や医療的ケアの必要な子の成長を記録できる育児ノート「cocoe(ココエ)」

 障害のある子や医療的ケアの必要な子の成長を記録できる育児ノートを、デザイン・印刷会社のトレンド(松江市嫁島町)が開発した。障害のある子を育てる親でもある社員の声から始まり、障害児・医療的ケア児を育てる親100人近くから声を集めて完成させた。出生時の体重が1キロ未満でも書き込める成長グラフや投薬記録など、一般的な育児ノートとは一線を画す内容で全国でも珍しい。
 きっかけは出生体重700グラムで、脳に重い障害がある次男(6)を育てる社員の山崎絵美さん(39)の思いだった。
 妊娠届の際に市町村から受け取る母子手帳では「身体発育曲線」はグラフの目盛りが身長は40センチ、体重は1キロから始まる。ハイハイやつかまり立ちといった発育を記録するページも、平均的な子どもが目安。次男の成長は記入できなかった。市販の一般的な育児ノートには「お宮参り」や「お食い初め」の記入欄があるが、出生後半年間入院していたため、記入の機会はなかった。山崎さんは「できないという現実をたたきつけられているようでつらかった」と吐露する。
 育児で必要な記録は飲んだミルクの量や排せつ状況だが、医療的ケア児の場合はこれに酸素投与や服薬、酸素の値なども加わる。市販の育児ノートでは記録しきれない。トレンドが県内などに暮らす障害児・医療的ケア児の保護者100人近くに行ったアンケートでは「専用のものがないから自作していた」という親が多くいた。
 ノートの商品名「cocoe(ココエ)」は「障害とともに生きる人の『心』を『笑顔に』」の頭文字を取った。A5判のバインダー式で、必要に応じてページを追加できる。日常の思い出を書き込むスペースや、体調やリハビリの内容を記録できるページを用意。身長や体重を書き込むグラフの目盛りは空欄にし、わが子に合った数値を記入できる。入院歴や既往歴、血圧や血中酸素濃度、輸血歴、てんかん発作の有無なども細かく書き込め、入学、進学、支援サービス利用の際に情報共有がスムーズになる。
見た目はおしゃれで持ち歩きやすく、少しでも保護者の気持ちが明るくなるように、ページや表紙の素材にもこだわった。徳田裕成社長(32)は「2年以内にcocoeのアプリを開発し、親同士で情報交換・共有できるツールも作りたい」と先を見据える。
価格は3980円。同社併設の「cocoeショップ」かオンラインショップで購入できる。
(増田枝里子)