今月から義務化された食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の飲食店向け導入支援システムを、ウェブ制作のインフィニマム(松江市北堀町)が開発し、松江市内の事業者で試験運用が始まった。2021年の「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト」で最優秀賞を獲得したプランを具現化した。8月中旬の発売を目指す。
食品衛生法の改正により、食品を扱う全ての事業者はHACCPに沿った衛生管理が義務付けられ、対応を迫られている。
開発したシステム「ハサエちゃん」はウェブ上に日々の管理を記録し、過去1年分のデータを保存できる。HACCPに取り組む意義や制度内容、具体的な管理手順などを漫画や動画で分かりやすく解説する従業員向けの教育コンテンツが特徴で、福間正人社長は「従業員の理解が深まることで安心安全な食事の提供ができ、お店の信頼やPRにつながる」と狙いを説明する。
システムの開発には、松江発のプログラミング言語「Ruby(ルビー)」を使用。コンテストは、HACCPコーディネーターの資格を持つ細田太一さんと一緒に作成したプランで応募し、ビジネスの実現性と時代に即した問題意識が評価された。
松江市内の飲食店8店がモニターとなり、今月から使用している。発売に向けて改善点を洗い出す。システムは登録制で月額料金3千円程度を予定し、2年で240件の登録を目指す。 (藤本ちあき)