イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ・ガザ地区をテーマにしたドキュメンタリー映画の配給会社代表がこのほど、オンラインでガザの状況を紹介した。現状を「地上の地獄」と語り「命を救うために声を上げてほしい」と訴えた。
【詳報】ガザの現状は「地上の地獄」 映画配給会社の関根氏「命を救うため声をあげてほしい」
映画を配給するユナイテッドピープル(福岡県)の関根健次代表取締役が、出雲市内であった映画「ガザ 素顔の日常」の上映会にオンラインで参加した。
関根氏は、撮影を担当したガザのカメラマンが空襲で自宅を失い、南部に避難したものの「いつ死んでもおかしくない。はやく爆弾を止めてほしい」と話していたことを紹介。既に子どもだけで7千人の犠牲が出ており「人々はあと何人子どもが死ねば、国際社会は戦争を止めてくれるのかと言っている」と話した。
完全封鎖で水、医薬品、燃料、食料が入らないとし「汚水を飲まなければならず、世界保健機関は戦闘よりも感染症での犠牲者が多くなると予測している。病院では、麻酔なしで妊婦の帝王切開をしている」と説明。「地上の地獄になっている。人道上極めて深刻な危機」と訴えた。
日本からできることとして「SNSや会話で命を救うために声を上げる。戦争はまずいという国民的世論をつくることが大事」と強調。戦闘開始から2カ月が過ぎ「現状は悪化している。関心を持ち続けてほしい」と力を込めた。
上映会はコワーキングスペースマヤッカと島根大学医学部の学生らが主催し、20人が来場した。参加した島根大医学部4年の大井礼美さん(24)は「ガザのことを友人に伝え、関心を広げたい」と話した。(佐野卓矢)