38万人を超す全国の中学生が応募した第45回少年の主張全国大会で、米子市立東山中学校3年の矢曳未来(みらい)さん(14)が、鳥取県勢で初となる最優秀の内閣総理大臣賞に輝いた。「私が歩む夢への道」と題し、交通事故の後遺症を受け入れ、時間をかけて夢に向かって進む思いを発表した。矢曳さんの思いと作文の全文を紹介する。(米子総局・中村和磨)

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交通事故に遭う前の矢曳未来さん(家族提供)


 矢曳さんは小学4年生だった2018年11月、近所の公園から帰宅する途中に車にはねられて頭を強く打ち重体となった。脳が腫れて頭蓋骨内の圧力が高まるのを抑制する薬を使い、事故から約3カ月間、意識不明だったという。その後、次第に受け答えができるようになった。

 19年10月に退院した後も治療とリハビリを続け、小学校に復帰したのは6年生の春。矢曳さんは「悔しかったし、悲しかった」と当時を振り返る。

 記憶力や集中力低下などの高次脳機能障害と、姿勢保持力の低下といった身体障害が残った。休学期間中の遅れを取り戻そうと勉強を頑張るほど、脳障害に苦しめられたという。

 以前と違う自分を受け入れられなかったが、中学校に入学してその思いは変わった。...