八足門の前で吉兆幡を掲げ、大社神謡を奉納する参加者=出雲市大社町杵築東、出雲大社
八足門の前で吉兆幡を掲げ、大社神謡を奉納する参加者=出雲市大社町杵築東、出雲大社

 「吉兆さん」の呼び名で親しまれる正月の吉兆神事が3日、出雲市大社町であり、出雲大社の境内などを巡った各町内会の参加者が色鮮やかなのぼり旗「吉兆幡(ばん)」を掲げ、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願した。



 

 

 吉兆神事は毎年1月3日に、北島、千家の両国造家や出雲大社に出向き、各町内会が、刺しゅうで「歳徳神」と記された高さ約10メートルの吉兆幡を立て、祝い歌を奉納する。

 今年は小雨が降る中、11町内会が参加。神楽衣装に身を包み、鬼面をかぶった厄年の男性が務める先払い役の「番内さん」の先導で各所を練り歩き、出雲大社では本殿入り口に向かう八足(やつあし)門前で順番に吉兆幡を立て、「大社神謡(しんよう)」を厳かに歌い上げた。

 初めて神事を見たという出雲市白枝町の今岡友紀さん(75)は「毎年(出雲大社に)来ているが、運良く見られた」と話した。(黒沢悠太)