「盆と正月が一緒に来たよう」という慣用句があるが、われわれ新聞記者にとって忙しいのは同じでも、めでたさとは正反対な、痛ましい正月三が日になった。

 元日の夕方に発生した石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震。家屋の倒壊が相次ぎ、大規模火災も起きた。当日は新聞休刊日だったため、翌2日は朝から出社。一夜明けて分かってきた被害状況や増え続ける犠牲者の数に驚きつつ、事前に準備していた1面コラム「明窓」と3面「論説」の内容を急きょ、能登半島地震に差し替えた。

 夕方、作業を終えて帰宅の準備をしていると、...