石見国一宮の物部神社(大田市川合町)で7日、新春恒例の奉射(ぶしゃ)祭が営まれた。射手が「鬼」と書かれた直径1メートルの大的を弓矢で射抜き、1年間の無病息災を祈った。
邪気を払う年初めの大祭で、拝殿で大的に「鬼」と書き入れた後に、境内で実施。射手は大田市弓友会の安原光孝さん(55)=大田市仁摩町仁万=ら2人が務め、的まで3メートルの位置からそれぞれが1本を空に、もう1本を的に向かって放ち、見事に的の中心を射抜いた。
1日に石川県で最大震度7を観測した能登半島地震が発生するなど、大きな厄災に見舞われている。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻など世界各地で戦闘が続いており、安原さんは「どうか平和な1年になってほしい」と願った。
その後、弓道関係者30人が的まで40メートル地点から順々に矢を射て、的中させた。昨年末の全国高校弓道選抜大会でベスト16入りした邇摩高校弓道部2年の赤栗智志さん(17)は「夏の全国総体ではもっと上を目指したい」と意気込んだ。
(勝部浩文)