万葉歌人・柿本人麻呂の生誕の日とされる1日、人麻呂を祭る益田市高津町の高津柿本神社で五穀豊穣(ほうじょう)を願う八朔(はっさく)祭が営まれた。新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりとなる、呼び物の流鏑馬(やぶさめ)は、近くの高津川河川敷(高津2丁目)に設けられた特設馬場で馬上から射手が的を射抜き、観客から盛んな拍手が送られた。
9月1日(旧暦8月1日)の八朔は、全国的に武家の節句として流鏑馬などの武術奉納があり、稲が実り始める時季で農家の節句として五穀豊穣が祈願される。1661(寛文元)年に始まったと伝わる高津柿本神社の流鏑馬は、一時中断したが、2005年に地元の高津やぶさめ保存会が復活させた。
この日は4人の射手が、全長218メートルの特設馬場で馬を走らせながら3カ所の的を順に射抜いた。同市高津5丁目の無職安野寿祐さん(86)は「矢が的に当たったときのパーンという音を久しぶりに聞いた。すごい迫力だった」と伝統行事のコロナ禍からの「復活」を喜んだ。
(中山竜一)













