防火を祈願する伝統行事「八朔(はっさく)花祭り」が27日、浜田市長浜町の長浜天満宮周辺であった。家にかざると火難よけになるとされる造花が天満宮前の1キロの通りに約100本並び、待ち構えた参加者らが午後6時の合図で一斉にもぎ取って、持ち帰った。
長浜地区で江戸時代から続く行事。諸説あるが、若者が境内の竹を盗んで火防神社の祭神の怒りを買い、住民が造花をささげて鎮めたのが由来とされる。地元住民や協賛企業などでつくる実行委員会の運営で、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりに開かれた。
通りの軒先には、住民らが手作りした赤や白、ピンクの造花が飾られた。参加者は好みの造花の前で待機し、午後6時に花火の煙が上がると素早く手を伸ばした。持ち帰った長浜小学校3年の佐々木優羽(はると)さん(8)は「好きな色の花が取れてよかった。普段から火の回りに物を置かないよう気を付けたい」と話した。
(宮廻裕樹)