益田市指定無形民俗文化財の藁蛇(わらへび)神事が27日、益田市匹見町石谷の田原大元神社であった。住民らが社殿裏山のご神木に、稲わらで作った長さ8メートルの蛇を巻き付け、五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
神事は1881年に旧日原町(現島根県津和野町)から伝わったとされ、藁蛇は水神の化身という。1982年に旧匹見町(現益田市匹見町)の無形民俗文化財に指定され、合併後に市が引き継いだ。
地区出身で神事の継承に取り組む藤原美弥雄さん(75)=益田市安富町=ら地元在住と出身者の計8人が、前日に神社近くの民家の納屋でわらをなって蛇を作り、準備を整えた。
紙祖八幡宮(益田市匹見町紙祖)の斎藤大也宮司(51)が祝詞を奏上。藤原さんらが社殿裏山にあるご神木のツバキに藁蛇を巻き付け、木の股の部分に据えた頭部に幣を刺した。藤原さんは「今年も無事執り行うことができ、関係者に感謝している。これからもしっかりと引き継ぎたい」と話した。
(中山竜一)