現在、島根県立石見美術館(益田市有明町)では「石見特別版 永田コレクションの全貌公開〈一章〉北斎-「春朗(しゅんろう)期」「宗理(そうり)期」編」を開催している。津和野町出身の北斎研究者・故永田生慈(ながたせいじ)氏(1951~2018年)が2017年に島根県に寄贈された「永田コレクション」(全2398点)より、北斎が主に「春朗」や「宗理」と名乗っていた時期(数え20~45歳ごろ)の作品を紹介している。

 本展では前後期で展示替えをしながら278点が出品されるが、その内の127点が「摺物(すりもの)」という浮世絵版画である。実は...