能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市の海士(あま)町(まち)を支援しようと、島根県海士町の漁師が支援物資を募っている。現地の海女と交流があり、必要な物資をリスト化して発送準備を進めている。
支援物資は同町御波の漁師、吉川岳(たかし)さん(46)が呼びかけている。吉川さんは町内で数少ない素潜り漁師として季節によりサザエやアワビ、魚突きで漁をしている。2019年に漢字の地名が同じ輪島市海士町で素潜り漁が盛んだと知り、交流サイト(SNS)を通じて現地の海女と知り合った。20年に輪島市海士町を訪ね、漁に必要な道具やウエットスーツを購入させてもらった。
地震発生後、知人の海女の無事は確認できたが、自宅が倒壊したと知った。避難生活を送る人たちのニーズに応じた支援物資を送ろうと漁師用カッパ、紙皿など、足りない物をリスト化してもらった。
吉川さんは12日にフェイスブックで呼びかけを始めた。吉川さんの所属する一般社団法人・隠岐の島振興協会(島根県隠岐の島町都万)から米100キロや100枚単位の畳の提供があったほか、町内のホテルから冷蔵庫や家具の提供を打診されているという。個人からも物資提供の声が相次いでおり、膨らむ見込みの送料の募金も併せて行う。
吉川さんは「海士町でつながりがあることを知ってもらい、少しでも助けになればと思う」と話し、今月下旬にも第1便を発送する予定だという。支援物資は海士町内で吉川さんが直接集める。詳しくはフェイスブック「海士町 つながり」に記載がある。
(鎌田剛)