出雲空港を飛び立つFDAの機材=出雲市斐川町沖洲、出雲空港
出雲空港を飛び立つFDAの機材=出雲市斐川町沖洲、出雲空港

 フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)が16日、出雲空港(出雲市斐川町沖洲)と中部国際空港(愛知県常滑市)を結ぶ1日1往復の定期便を夏ダイヤ(3月31日~10月26日)から新設すると発表した。現在運航する県営名古屋空港(同県豊山町)便の2往復と合わせ、名古屋都市圏と結ぶ便が1日3往復となる。今月8日に運休した静岡空港(静岡県牧之原市)便も夏ダイヤから1日1往復で運航再開する。

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 国土交通省に23日に届け出る予定で、詳しい発着時刻や運賃は今後発表する。中部国際、静岡両便ともに搭乗者数は年間4万人、搭乗率70%を目指す。両便の機材はエンブラエル170(76席)か同175(84席)を想定している。

 FDAにとって、中部国際を発着する路線は2023年3月に就航した高知便に次いで2例目。県営名古屋空港が位置する愛知県西部の名古屋市周辺や岐阜県などに加え、東部の三河地方などからの利用を想定する。中部国際は、アジアをはじめ世界18都市に定期便を運航しており、インバウンド(訪日客)需要を取り込む狙いもある。

 FDAの楠瀬俊一社長は16日、松江市殿町の島根県庁で丸山達也知事と面会し、「出雲を訪れるお客様の裾野を広げたい」とし、丸山知事は「チャンスを生かせるよう利用促進に取り組みたい」と応じた。

 静岡便は、燃料価格の高騰などを受け、今月8日に廃止された仙台便と同時に運休した。FDAが搭乗率70%を採算ラインとする中、静岡便の23年4~12月の搭乗率は78・3%で、需要が見込めると判断した。次の冬ダイヤ以降の運航は未定としている。(高見維吹)