舞い上がるスギの花粉
舞い上がるスギの花粉
舞い上がるスギの花粉

 今春の山陰両県の花粉飛散量は平年超えとなる予想を、民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)がまとめた。飛散量が多い年の翌年は少なくなる傾向があるが、昨年、夏の暑さで特に多かった2023年に続き、24年も平年より多くなる可能性がある。暖冬の影響で飛散時期が早まるとの見立てもあり、花粉症の人を悩ませそうだ。

 同社によると、花粉の飛散量は周期的に増減し、飛散が多い年と少ない年が交互に訪れる傾向がある。山陰両県は23年、総飛散量が島根で平年の2・3倍、鳥取が2・9倍と多い年だった。

 24年は飛散量が減る「裏年」のはずだが、今年も平年を上回る予想だ。夏の高温や日照時間が長くなった影響でスギやヒノキの光合成が促され、雄花の着花が進んでいることが要因という。

 飛散の時期も早まりそうだ。島根は2月6~10日(平年2月16日)、鳥取で2月11~15日(同2月18日)に飛散が始まり、4月下旬まで続くと予想される。冬に入り断続的に寒気が流れ込み、スギの雄花が目覚めて成長を始める「休眠打破」が進む上、1月前半の気温が高かったため雄花が成長しているとみられる。

 厚生労働省が、関係学会の調査を基にまとめた資料によると、19年の花粉症患者の割合を示す有病率は42・5%で、1998年の19・6%から大幅に増加している。

 ウェザーニューズの担当者は、花粉症は症状が出始める前の対策が重要とし「マスクの着用や洗濯物の部屋干し、病院の受診などを早めにしてほしい」と呼びかけた。(黒崎真依)