雲海予報システムについて解説する重田祥範准教授(手前)=島根県美郷町粕渕、美郷町役場
雲海予報システムについて解説する重田祥範准教授(手前)=島根県美郷町粕渕、美郷町役場

 島根県美郷町が「雲海予報」をインターネットサイトで始めた。旅行を計画している人を意識して9日先までの見通しを示したのが特徴。発生確率をパーセンテージで示す。

 美郷町は朝の冷え込みや町内を流れる江の川の豊富な水分、周辺の山々が風を遮り霧が立ちこめやすいという雲海発生の好条件を備え、全国的にも発生率が高いという。

 地の利を生かそうと、建設コンサルタント・テクノシステム(出雲市)と、公立鳥取環境大の重田祥範准教授(気象学)が協力して予測システムを町が開発した。

 気温や湿度、風速などから数値をはじき出し、雲海がよく現れる3~5月、9月中旬~12月中旬に予報する。パーセンテージが60%以上だと見応えがあり、町内の野間展望台(島根県美郷町粕淵)、田之原展望台(同町上野)から町内を見下ろすと、躍動する霧の動きや所々に町内の山々が突き出して見え、変化に富んだ眺めとなる。

 100%が表示された場合、まれに展望台ごと霧に包まれ何も見えない時もあるが、重田准教授は「刻一刻と景色は変わる。諦めて帰らず30分ぐらいは粘ってほしい」と呼び掛ける。

 重田准教授と町は、2020年11月に予報を試験的に始め、これまでの的中率は80%強。積雪や落葉に影響されて読みづらい冬場や予想以上の風が吹いて外れる場合もあるが、雲海シーズンの春秋は精度が高いという。嘉戸隆町長は「予報で気持ちが楽しくなる。美食や江の川でのカヌー体験といった町の観光素材と合わせ、雲海も楽しんでほしい」と話した。 (板垣敏郎)